1999年9月17日金曜日

記憶の亡霊

 後ろで何やら物音がしたので振り返ってみたら、笑ったような苦しんでいるような無気味な表情で転がっている生首が一つ。首筋に何かが垂れてきて驚いて上を見てみたら、木に髪が絡まった状態でぶら下がって虚ろな目でこちらを見つめる生首が一つ。恐怖におののいて逃げ出そうとして足を踏み出せば、それに蹴られて宙に浮き上がる生首ひとつ。またひとつ、またひとつ・・・。さぁ泣け、喚け。恐怖に怯え震えるがいい。生臭い血と、腐敗した肉の匂いの中で。遠い昔に過ぎ去った、失われたはずの記憶の中で。

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