2001年2月9日金曜日

卒業旅行@野沢温泉スキー場

 さてさて、卒業旅行を兼ねたスキー旅行、どうにか無事に帰ってくることができました。私はスキーに行くのは高校以来実に5年ぶりなので、ちゃんと滑れるかどうかが疑問だったのですが、案外体は覚えているもので、初日で勘を取り戻し、往年の疾走ぶりを発揮してきました。今回行ってきたのは信州・野沢温泉スキー場で、新潟のスキー場では1スキー場に1箇所あればいいくらいの難関コースがところせましとひしめいている鬼のようなスキー場。とはいえ当然初級や中級のコースもあるので、最初は皆そちらをメインに滑っていました。

 初日は前日に降った新雪がとても軽くて最高のコンディション。山頂の中級コースは見晴しもとてもよく、葉の落ちた木の枝に細かい雪がついて凍って日の光に輝き、とても美しい状態で晴々と滑ることができました。雪国・福島で鍛えた腕をいかんなく発揮するてつやま51に、前のめりにデンジャラスなこけかたをするオム、おっかなびっくり滑ってパタンと転ぶしーさんに腰が引けてるきよ、何げに安定した滑りをみせるみ蔵に問答無用で駆け抜けていく私というようにそれぞれの滑りで楽しんでました。宿屋のシュプールあおぎりは、肉と魚が両方毎食食べられしかも美味しいという素晴らしい宿で、皆御満悦で食事をしていました。いつもはあまり食べない私がご飯を毎回2~3杯食べ、おかずも完食する姿に皆は驚きを隠せない様子でしたね(笑)。野沢温泉は大湯を始めとする13の温泉があり、そのすべてが無料で入れるといういかしたところで、毎回手近なところから潰して入っていきました。

 二日目は初日の延長で無難に滑り、私とてっちゃんのみ山頂の中級コースを上から下までノンストップで超スピードで突っ切るという荒行をこなして楽しんでました。そして三日目に入り、そろそろ数ある上級コースを攻めに行こうかということになり、手始めに私とてっちゃんが二人で一番手頃そうなスカイラインコースを偵察に行きます。このコースは山頂から一番下まで全長5,000mを超えるロングコースで、尾根伝いにコースがあるので道幅が狭く、下手に勢いをつけて転ぼうものなら一気に谷底に転落していくというややデンジャラスなコースでしたが、傾斜自体は最大傾斜30度でどうということはなく、尾根伝いだけに周りの風景が見事にパノラマとなって広がっているという絶景。まぁこれなら慎重に滑れば皆行けるだろうということで皆をスカイラインに案内し、それ以来そこは風景の美しさと適度なスリルから皆のお気に入りコースとなりました。私とてっちゃんが最初に偵察した時は上の方に深い霧がかかっていて、中腹に差しかかるまでは只でさえ狭い道の50m先も見えず、どこからが崖になっているのかすらわからないという実にデンジャラスな状態でしたけどね・・・。

 そして最終日には皆征服欲も高まってきて、てっちゃんはきよとみ蔵を引き連れて急傾斜とコブが上から見るとあまりにヤバイ牛首コースに牛の首を取りに、私は一人で最大傾斜32度と上級コースにしては控え目な傾斜のくせにこの野沢温泉スキー場の誇る超難関と謳われるシュナイダーコースに出かけていきました。別れ際「シュナイダーを落としてくるぜ!」と私は意気揚々と出かけていったのですがが・・・。てっちゃん達の方は見事牛の首をあげて、ついでにモーグルコースまで行って楽しんできたらしいのですが、私が一人挑んだシュナイダーの方はもう・・・。途中まではコブもなく、スカイラインの急な部分くらいの傾斜がずっと続いているだけで快適に飛ばせるコースだったのですが、途中で同じく上級のユートピアゲレンデとシュナイダーに分岐するところからはもう鬼のよう。ユートピアの方に行けばもはや「崖じゃん!」と叫びたくなるような急傾斜が待ち構えていて、シュナイダーの方はさすが名物コースと思わず納得の、バランスをとることすらままならないくらいの深くてハードなコブ&32度の斜面。泣きたくなりました。そこに至るまでの間に見事なウェーデルンで颯爽と私を追い抜いていった明らかに私より腕が確かなにいちゃん達ですら立ち止まり、一気に突っ切ることができずにひとつコブをターンでクリアしては立ち止まり、様子をみて次へ、というようにゆっくり進んで行きます。同じくかなり腕が立つと思われたおっちゃんも、難所に差しかかってから1/5もいかないくらいのところで早くも大クラッシュ、両足のスキーが外れて道行く人に助けられるというありさま。大体これまで私が見たどの上級コースでも、誰か一人くらいは皆が立ち止まる中颯爽と駆け抜けていく人がいるものなのですが、このシュナイダーはそんな人が一人もいない。皆ゆっくりゆっくりおっかなびっくり降りていきます。そらそうです。コブがあまりに深く、しかも270度くらいの角度で溝ができているため、まともじゃターンすらできません。無理矢理コブを抉り取るようにターンしようとすると、スキーがアイスバーンと化した斜面に流されるは突き刺さるはでもう大変。方向転換しようとしただけでバランスを取ることすらできなくなってしまうくらいのエグイ斜面に、私は本気で恐怖感を覚えました。それでも何度か倒れつつ、ゆっくりゆっくり降りていって、半分くらい行ったところで上と下を眺めてため息をついたりしながら、どうにかこうにか降りてきました。最後「あと少しだ」と意地でいくつかのコブを一気にジャンプしながらさばいて、無事下の初級コースに合流できた瞬間には「やった!」という達成感ではなく、「抜けた~」という解放感だけがありました。そらそうです。私はあのシュナイダーに、いいようにあしらわれてほうほうの体で逃げ帰ったようなものなのですから・・・。帰りに集合場所に向かってゴンドラに乗っている間はいつか絶対あのコースを制覇してやると心に近いつつも、だがしかし確かな恐怖感の残り香を心の片隅にまた感じていましたとさ。どっとはらい。

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