2001年7月16日月曜日

低音の輪廻

 何故シャコンヌやパッサカリアといった低音主題型の変奏曲は、こんなにも私の心を揺さぶるのでしょう。三回生の独重で弾いたヴァイスのシャコンヌ、シノさんが弾いた同じくヴァイスのパッサカリア、ロドリーゴのパッサカリア、バッハのシャコンヌ、そして最近ハマっているヴィターリのシャコンヌ・・・。これらの曲はどういうわけか私の心をグイグイ引き込んでいく、どうしようもない引力のようなものを持っています。シャコンヌもパッサカリアも、同じ低音の主題が一曲を通して繰り返され(途中転調するものもあるが)、その上で変奏が展開されていきます。執拗に繰り返される低音主題、シャコンヌやパッサカリアが持つその形式が、私にとって何か示唆的なものを感じさせるのかも知れません。何度でも何度でも、曲が終わらない限りは執拗に繰り返される低音の主題。どんなに上の変奏部分が形を変えて展開されても、その下でいつまでも同じ旋律が響き続けるこれらの曲が示唆するものは、一体何なんでしょうか。

 歴史は繰り返す。たとえ周りのすべてが変わっても。執拗に繰り返される低音が象徴するものは・・・。そう、すべては因果の流れの中に。

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