2001年11月11日日曜日

女神オーキルが紡ぐ「変化」

 さて、敢えてこの場で詳細を語ろうとは思いませんが、今週はとても信じ難いようなことが起こってしまいました。ケルト民話の女神オーキルは、片手で草より萌え出る命を、残りの片手で腐植土の下へと沈んでいく死を織り紡ぎます。そしてその織物は我々の世界では「時」と呼ばれ、また「変化」という名の魂を持つといいます。織り出され、また沈んでいく命はそのまま「時」であり「変化」であるというこの逸話は、何やら妙に心に響いてしまいます。そう、時は流れているのです。たとえ私達がその流れを心に留めることがなかったとしても。すべては変わっていくのです。例え誰もがそれを望まなかったとしても・・・。

 矢のように流れていく歳月は崖を滑り落ちる
 ゆっくり過ぎていく歳月が目の前を行きすぎる
 どれも二度と帰りはしない
 遠くに積み重ねられた歳月は、
 待ちくたびれた眼に涙をためている

フィオナ・マクライド/荒俣宏訳『ケルト民話集』ウラとウルラより


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