2003年9月21日日曜日

分かれ道

 分かれ道で立ち止まり、後ろを眺めて目を臥せる
 漠然とした意志が揺れて、ただ足だけが釘付けになる
 冷たい雨を運ぶ雲が、また後ろから影を連れて
 無情に流れる空の風が、止むこともなく雲を乗せて
 進まなければいけない、追いつかれる前に
 刺すような雨に、打たれる前に
 自らはめた足枷に、縛り付けられた世界の中で
 ただ、足だけが前へ出ずに

 そう、これは何処かで見た風景
 何もない、がらんどうな分かれ道
 喪失という名の下に、目の前で消えていった幻達
 音もなく沈みゆく街で、吹きすさぶ風に肌が怯えて
 冷たい雨を運ぶ雲が、また後ろから影を連れて・・・

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