何気にこの業界は狭い。私はその後道でばったり会った程度しか経験がないが、会社を去った人と別の形で仕事で再び会うこともままあるという。今日去って行った人の一人は、ウチの製品が好きなのでいつか自分が勤めるところにも薦めてみたいと言ってくれていた。多分に方便だろうが、まぁそれでも素直に嬉しく思うくらいはいいだろう。あくまでも期待はせずに。そのようにして、ある人は去り、ある人は残って、少しずつ組織は変わって行く。よくも悪くも、時間は流れ、何かを運び去り、何かを連れてくる。今、東京の桜は満開だ。今朝の冷たく暗い雨に打たれて、その花を少しばかり散らせていた。花は咲き、散り、そしてまた咲く。そういうことだ。
今日付けで去って行く三人のうち、二人は帰り際に挨拶をした。こういう時、私が最後に言う台詞は昔から変わっていない。こちらはまぁこれからも適当にやるから、アンタもアンタで元気でなという、そんな大雑把な手向けの挨拶。少し、右手を上げてこう言う。
・・・達者でな。
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