2011年12月14日水曜日

TPPという名の世界均質化

Twitterで平川克美氏(@hirakawamaru)が以下のようなツイートをされていました。


多国籍企業の論理や行動は、基本的に超国家主義的であり、覇権主義的にならざるを得ない。法人税率を上げたり、規制があると海外へ逃避してしまうと脅す人がいるが、そうしなくてもボーダレスに消費者を探し、安価な労働力を探しまわるものだ。ボーダレスな焼き畑農業をやっているわけだ。

多国籍企業の利益をもとに、国民国家を論じるのは、筋違いである。多国籍企業の利益は、そのまま多国籍でアノニマスな株主の懐へ納まる。

新自由主義のメリットは、ほとんど多国籍企業のためのメリットと同じだ。国民利益とは、なんの関係もない。にもかかわらず、経済政策は、多国籍企業やアノニマスな株主に配慮してばかりいる。

 TPPに感じる違和感、それは「国に縛られない企業の論理を、国土と国民に縛られざるをえない国に適用する」ところにあるのだなと、これを読んで感じました。国土や国民にしばられることなくコストを下げ、収益を上げたい企業論理。その論理をどうしたって国土や国民が前提となる国に適用することで、ビジネスに関して国の差、地域差をなくそうというのがTPPです。そもそも前提となる範囲が異なる規範を無理に適用しようとするから齟齬が生じるのだなと。

 その国土、国民性に合った農業や医療、法令、ビジネスが本来はあるはずです。でも「その国に合った」なんて考えてたら国ごとにビジネスを考えなきゃいけなくなって非効率だから、「じゃ、その差を考えなくていいようにルール作りましょ」ってのがTPP。グローバル化はイコール均質化です。TPPの無理があるところは、実際これだけ異なる世界を、論理的に一つと見なそうとするその本質の部分にあるのだなと、改めて感じました。

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