2006年12月19日火曜日

復調

 今日は久し振りに体も頭も軽かった。昨日運良くキャンセルが出て行けた整体のおかげだろうか。妙に頭がスッキリしていた。素晴らしい。私の頭はこんなにも冴える!(←オイ!)コトー先生に感謝です。やはり体が固まっていると頭もダメになるものです。ともあれ、これでなんとか今年も乗り切れそうです。

2006年12月17日日曜日

ベートーベンの誕生日

 今朝起き抜けに妻から聞かされて知ったのだが、今日はベートーベンの誕生日らしい。ので、そこに敬意を表して、先にも書いたように基本的に編成の大きな音楽をあまり好まない私は普段はそんなに積極的にベートーベンはかけないのだが、今日はひたすら意識してベートーベンを聴いていた。自分からはそんなに聴かないベートーベンではあるが、父はベートーベンが大好きなので、幼い頃からよく父の部屋から流れてくる音楽は聴いていたせいか、やはり自分でも好きな曲やCDはある。せっかくなので、今日は私が好きなベートーベンを、独断と偏見でご紹介してみようと思う。

 まずはやはりカルロス・クライバー指揮 ウィーンフィル演奏のシンフォニー5番&7番。『運命』と7番の組み合わせ。今さら説明不要な曲・演奏だが、やはりよい。実に力強いエネルギーの躍動は聴いている者を問答無用で曲の世界に引きずり込まれていく。何しろこの演奏を聴いただけで私はすっかりC.クライバーの虜になってしまった。ぎぃ助達の世代のクラギタから『こうもり序曲』の編曲を頼まれた時も、音源のサンプルには迷わずC.クライバー指揮のものを選んだものだ。是非とも一度生で聴いてみたかった指揮者だ。ちなみに、リンク先のCDはJ.シュトラウスの作品集オムニバスだが、一枚目のワルツ、ポルカ、マーチ集ではカラヤン、アバド、ベームら名指揮者がウィーンフィルを振った演奏で、2枚目の『喜歌劇<<こうもり>>(抜粋)』はすべてC.クライバー指揮の演奏。ユニバーサル・クラシックが出しているこのオムニバス・シリーズ『パノラマ』は著名な名演をまとめて安価で楽しめるので、なかなかお買い得だ。他にも例えばラフマニノフの作品集とかドビュッシーの作品集ショスタコーヴィチの作品集等、色々出ている。一枚1,500円と安価にクオリティの高い演奏で各々の作曲家の代表曲に触れられるので、「この作曲家はどんな曲を書いているんだろう?」と興味を持った時なんかにお薦めのシリーズだ。

 次はこのCD。ジョージ・セル指揮 クリーヴランド・オーケストラ演奏の交響曲第3番『英雄』。以前の日記で紹介した際は『英雄』のCDとして紹介したし、実際このCDのメイントラックはやはり『英雄』だが、一番聴いてほしいのは実は『エグモント序曲』。というか、実は曲としては『英雄』は特別好きではない。この『エグモント序曲』は私の大のお気に入りの曲で、学生時代に(演奏する当てもないのに)ギター合奏に編曲しようとして総譜までは購入したというくらい思い入れの深い曲だ。ちなみに、編曲は結局完成しなかった。このCDでのセルの演奏は、イントロを聴いた瞬間「うおっ、重いな!」と思った。実に、重い。重いが、実直で、堅実で、それでいて情熱に満ちた演奏はさすがジョージ・セル。彼も好きな指揮者の一人だ。

 そして『エグモント序曲』と言えば、あまり知られていないが実はこれには弦楽四重奏版の編曲がある。しかもC.F.エバースというベートーベンと同時代の人物による編曲で、一説によるとベートーベン公認の下での編曲だったらしい。C.F.エバースは他にも交響曲5番、7番、8番や様々な序曲を弦楽重奏に編曲している。その弦楽重奏版の交響曲7番と『エグモント序曲』が聴けるのがこのCDだ。これも、お薦めのCDの一つ。ちなみに、このCDで演奏しているプロ・アルテ・アンティクア・プラハは、他に同じくC.F.エバース編の交響曲5番と8番の弦楽五重奏版も録音している。

 そして曲として大好きなのは弦楽四重奏第11番『セリオーソ』。いきなり迫力あるスケールから切り込んでくるこの曲は、その激しい音列が紡ぐ深く重い情熱と、最終楽章で奏でられる暗い熱を帯びならがも実に官能的で美しい旋律が素晴らしい傑作と思う。個人的には同じ弦楽四重奏の中でももっと有名なラズモフスキー3部作よりもこっちの方が好きだ。お薦めの演奏はやはりアルバンベルク・クァルテットスメタナ・クァルテットのものか。まぁ、どちらも世間一般に評価の高い盤だけど(苦笑)。

 というわけで、今日はこれらのCDを聴きながら夜を過ごしている。たまにはベートーベン尽くしもいいものだ。


癒しの旅 in 2006/12/16

 今朝も起きたら肩から首にかけてのもはや筋肉痛のような痛みと張り。毎晩塗っているアンメルツも気休め程度にしか効かないようです。ともあれ、この状況を少しでもマシにしなければプライベートにも今後の仕事にも差し支えると判断した私は、とにかく今日一日は癒しを求めることにしました。整体のK-STYLEさんは相変わらずの人気で今週・来週中に行こうと思ったらキャンセル待ちの状態なので、とりあえず私のもう一つの癒しスポットである綱島温泉・東京園に行くこと決めました。妻を大倉山の港北図書館まで送り、自分はそのまま引き返して綱島温泉へ。一時間弱の癒しの旅へとLET'S GOです。"Let us"っていう割には一人かよ、というツッコミは入れてはダメです。

 綱島温泉は綱島駅から徒歩1分の場所にある温泉で、かつて温泉街として栄えた綱島の、現在では唯一残った温泉です。綱島通り沿いにあるその建物は全体を黄色のペンキで塗りたくった、お世辞にも趣味がいいとは言えない素敵な外見で、施設も温泉というよりは銭湯とSPAの中間くらいの、昭和を感じさせる古びた内容。4つもある大広間では、絶えずお客の年配の方がカラオケで演歌を歌ったり将棋を指したりしています。ハッキリ言って、どう見てもお洒落ではないですし、実際若い人はあまりいません。でもここ、お湯はいいのです。

 湯の色は関東に多いらしい、完全な黒湯。真っ黒です。印象としてはコーヒーより濃い黒。墨汁をほんの少しだけ薄めたような感じです。正直、初めは「ゲッ」と思いましたが、効くのです、これが。よく温まって、なかなか冷めない。新宿や汐留での深夜作業・徹夜作業が立て続いていた頃、よく明けにこの温泉で体をほぐして疲れた体を休ませていたものです。今日も一時間弱、のんびりと温まってきました。さすがに全快ではありませんが、少しばかり首も肩も楽になりました。真っ黒なお湯の天然ラドン泉。素敵です。やはり温泉は疲れた体に効きます。

 ちなみに、この「一時間弱」という時間には理由がありまして、この綱島温泉、入場時に料金800円を取られるのですが、昼は一時間以内に退出すると370円帰ってきます。つまり、カラオケ等の施設を利用しない場合は通常の銭湯と同じ料金で入れるのです。ので、私は大抵風呂に入って、少し飲み物を飲んで休んだら出るという行動パターンでここに来ます。今日もそうでした。そしてホカホカに温まった体でまた車を駆って図書館に向かったとのことです。


2006年12月15日金曜日

心身硬直

 忙しい。もはや忙しいとすら感じることができなくなるほど忙しい。心身ともに余裕のない日々を最近は送っている。おかげで腰もガタガタだし、何より首から肩がもうガチガチで、朝起きた段階で既にもうバリバリこっている。なかなか最低のフィジカル・コンディションの中、処理能力を超えたタスクに埋もれながら、とうとう思考も停滞する。忙しさ故に停滞する瞬間は、ある。それは厳然たる事実として。とりあえず、まずは整体に行きたいなとずっと思っているのだが、日中は予約の電話一本入れる隙すらなかなか作れず、ずっと引っ張ってしまっている。体が軽くなれば、多かれ少なかれ頭もそれについてくると思うのだけど。

2006年12月11日月曜日

水天宮参り

 今日は日曜なのにちょっと早起きして(といっても普段会社に行く時間と変わりはないが)、妻と水天宮まで出かけてきた。いわゆる安産祈願というヤツだ。水天宮は安産祈願の由緒正しいお宮なのだ。次の月曜日(つまりは明日)が戌の日だそうで、「帯祝い」といって多産でお産がかるい犬にあやかって、五ヶ月になった初めての戌の日に腹帯をお腹に巻くという習わしがあるそうなのだ。初めて知った。とにかくそういうわけで、初冬の珍しく澄んだ青空の下、渋谷から半蔵門線に乗り一路水天宮前へ、お宮参りに行ってきた。

 水天宮前は以前に仕事で来たこともあるので初めてではない。特に迷うこともなくお宮に着く。受付を済ませ、お守りを購入し、安産の祈祷へ。平日はともかくとして、戌の日でなくとも土日はやはりなかなか混雑する。ので、祈祷のために昇殿できるのは妊婦本人のみだそうで、夫も親も中には入れずに周囲にたむろしていた。当然私も例外ではなく、列に一緒に並ぶことすら認められずに境内から下ろされてしまった(泣)。とはいえ妻は無事に祈祷をしてもらい、帰りに人形町で人形焼きを買って、ココイチのカレーを食べて帰路についた。

 ともあれ、こうした細かい行事も一つ一つ進んでいく。最近は、たまにお腹の中でぐるぐる回っているのを感じることもあるらしい。今のところ順調に、時の経過とともに外の行事も終わり、中の子供も育ってくれているようだ。無事に、健康に生まれてくれるといい。月並みではあるが、やはりまずはそれが一番だ。後は、生まれてくる子供に自分がどう対面できるか。そこが、こちらの当面の問題になるわけだ。今、自分は生まれてくる子供に対して、自信を持って「人生は素晴らしい」と胸を張れるのだろうか?もしそれができないとしたら、自分は一体どうすべきなのだろうか?


2006年12月9日土曜日

大萩 康司@浜離宮朝日ホール -武満 徹没後10周年によせて-

 ただでさえ忙しい師走の金曜日、18時過ぎに会社を「お疲れ!」と逃げるように後にし、渋谷から一路都営大江戸線築地市場駅へ向かいました。目的地は浜離宮朝日ホール。大萩康司のコンサートです。かねてより日本人ギタリストの中では一番好きだと明言していたにも関わらず、実はちゃんとしたコンサートで聴くのはこれが初めてです。以前オスカー・ギリアが来日していた際に一度『そのあくる日』を弾いたのを聴いたことがあるくらい。ですので、このコンサートは密かに楽しみにしていました。コンサートの名目もズバリ『武満 徹没後10周年によせて/ギターを知り尽くした作曲家達』。実に、そそられます。その名目から想像することは難くないように、演目もなかなかにマニアックです。ブローウェル、武満 徹、ヴィラ=ロボス、ジスモンチ、S.アサド。自分で楽器を弾く人間以外には、好き好んで聴く人達があまりいなさそうな作曲家群です(苦笑)。何しろ一曲目からブローウェルの『悲歌』。武満 徹へのオマージュであるこの曲は、コンサートの題目にはピッタリでしょうが、普通に考えてこの曲を最初に持ってくるのは正直相当な冒険です。さてどう切り込んでくるのか、開演前から楽しみに待っていました。

 客電が落ち、大萩康司がステージに登場します。拍手を受け、椅子に座ります。一気に拍手も止み、ホール全体に微かな衣擦れや咳の音がまばらに響くだけになります。そこからが、長かった。ステージ上の大萩は、調弦をするでもなく、両手をだらんと肩からたらして、じっとうつむいたまま座っています。異常に長い、長い沈黙。やっと手を上げたと思ったら、軽く調弦を合わせてまた力なくだらんとたらします。どのくらいか、おそらくでも一、二分程度の間でしかなかったのでしょうが、演奏が始まるのを待っているホールでは、その時間は異常に長く感じられます。最初の一音が響く前に引き延ばされた、張りつめた空気の中の静寂。自然、最初に耳に聞こえていた衣擦れや咳、あるいはその他様々な雑音もその長い緊張に耐えられずに消えていき、一瞬、完全な静寂がホールに訪れます。その後に、やっと最初の音が奏でられました。出だしだけで『悲歌』とわかる、悲しく諦観に溢れたハーモニクス。引っ張って引っ張って、極限まで高められた集中力と緊張感の中始められた演奏は、この曲の大半を占める少ない音数の中で維持される絶望的なまでの緊張感がひしひしと伝わってくるものでした。さすがに一曲目から『悲歌』だと、指は部分的に辛そうでしたが・・・。

 その後は武満編曲の『ギターのための12の歌』よりの抜粋。これがなかなかよかったのです。少々、粗いところはあるのですが、彼は音の立ち上がりが非常に早いし、音の立ち上がりと切れ目を非常に明確に意識した演奏をするので、ちょっとジャジーにリズムの遊びが意識されたこれらの編曲には非常に表現がピタリとはまる。聴いていて気持ちのいい演奏でした。そして最後は武満の『フォリオス』が演奏され前半は終了します。

 後半の曲目はまずヴィラ=ロボスの『5つのプレリュード』に始まり、ジスモンチの『変奏曲』、そしてセルジオ・アサドの『アクアレル』。後半はなんと言ってもこの最後の『アクアレル』の一曲目のディベルティメントが凄かった。鳥肌が立つほど凄かった。ただでさえ超絶な技巧が織り交ぜられながら、なおかつブラジル音楽特有のリズムも生き生きとしていなければカッコよくは決まらないというこの難曲。しかし見事に鬼気迫る演奏で聴かせてくれました。何と言いますか、正直、端で見てて「ようやるわ・・・」とあきれてしまうくらいでした。今回の観客は曲に対する造詣が深いようで、組曲の途中ではこれまで一回も拍手が鳴らずにクラシックのコンサートのマナー通り来ていたのですが、このディベルティメントの後だけは拍手が鳴りました。確かに凄かった。お見事でした。大萩康司は2月に新しいCDを出すそうで、まだ曲目は完全に決まってないそうですが、この後半の曲目の中からは何か入ってくるらしいです。願わくばもう一度、CDで彼の『アクアレル』を聴きたいものです。

 アンコールはまず『タンゴ・アン・スカイ』。そして次に『そのあくる日』。彼が持っている定番アンコールナンバーが一気に2曲続けて出てきたので、今日は2曲で終わりかなと思っていたら、何と3曲目、最後に『愛のロマンス(禁じられた遊び)』を演奏してくれました。プロがステージで弾くのを生で聴くのは初めてです。いやー、何と言うか、随分思いきったな、と感じました。

 そして演奏会終了後、ホールを後にしようとしたら何気に福田 進一を目撃しました。クロークの前でサインをねだられていました(笑)。そして私が帰ろうとエスカレーターに乗ったら、何気にすぐ後ろに福田進一がいました。周りの人と話しながら、今日のコンサートを「うん、上手だったね」と笑いながら一言でまとめていました。鉄板焼きの打ち上げには後ほど合流という手はずにしたらしいです。ま、どうでもいいことですが・・・。

 総じてやはり、私好みの現代曲が跋扈する、なかなか刺激的なステージでした。一緒に行っていた妻は途中曲があまりに理解できなかったので終演後に食べるご飯のことばかり考えていたらしいですが(爆)、ま、それもよいでしょう。私のように精神が病んだ人間には(?)素晴らしい選曲、素晴らしいコンサートでしたとさ。


2006年12月6日水曜日

目指せ6時間!

 今週は日曜の夜から月曜の朝にかけて仕事をしていて3時間弱しか寝ずに月曜を過ごした。さすがに、楽ではなかった。普段は睡眠時間は4~5時間。気を張っていると別に気にもならないが、ふっと糸が切れた瞬間にドッと眠気や疲れが来る。朝起きた時の倦怠感も正直かなりある。昨晩は、6時間寝ることができた。前の晩に酒を飲んでもいない。素晴らしい寝起きだった。スッキリしている。起き抜けの倦怠感は多少残っているが、頭は実に晴れ晴れとしている。久し振りにニュートラルよりはやや前向きな気持ちで仕事に出かけることができた。

 やはり睡眠時間が3時間以下では、寝ないで稼いだ仕事の分より、次の日にロスする損失の方が多い。4~5時間ではギリギリ集中力のバランスは保てるかもしれないが、心が下向きになりがちだ。睡眠時間の平均が5時間を切ると鬱や突然死(自殺を含む)が多いとの研究結果も報告されている。やはり、6時間だろう。そのくらいは寝たいものだ。一日の、実に4分の1。そう考えるとなかなかバカにはならない気もする。とはいえ、次の一日のための今日のうちの投資。そう考えると、それは果たしてリスクの高い投資だろうか?そうはならないように思う。

 ともあれ、「リスクの高い投資」とかなんとか言わずとも、とりあえずまずは6時間眠れるようにしたいものだ。深夜1時に寝て、朝7時に起きる。そんな生活は果たして、贅沢な高望みなのだろうか?まぁ確かに、今の私から見れば夢物語だ。今(2:40)から寝ても睡眠時間はざっと4時間強。結局、いつもの通りだ。