2007年7月30日月曜日

とある週末と参院選

 先週の日曜日、遊びに来ていた弟夫婦が帰った後に、妻が出産で実家に帰る前に買っておいたチャイルドシートをいよいよ車に取り付けて、娘を車に乗せて初めてのお買い物に行こうとした。ところが、何かがおかしい。ウチの子はまだ二ヶ月なので当然首はまだ座っておらず、寝かせて乗せることができるチャイルドシートを購入したはずなのに、何故か手元のチャイルドシートではそれができない。普通に座らせて乗せることができるだけだ。説明書をいくら読んでも寝かせる方法が書いてない。あまつさえ、対象年齢3才からとか書いてある。確かに購入する際は新生児から使えるものを選んだはずなのだが。

 泣く泣く先週は初ドライブを諦め、どうしたものかと悶々としていた。買う時に商品を間違えたのか、それとも店が発注を間違えたのか。もう開封したどころかレシートもなければ箱すら処分してしまった状況だし、何しろ購入したのが一月だ。仮に店側に否があったとしても返品が効くとは思えなかったが、間違えたのは誰かだけでもはっきりさせないと気がすまなかったので、今週購入した店に電話した。担当の人と話しをしてみると、確かに私が購入したのは、新生児から使えるチャイルドシート。でも実際に届いているのは3才以上対象のジュニアシートということだった。意外に、何も言わずとも先方からすぐに本来の商品を送ってくれると言ってきた。レシートも箱もないですよと言うと、それはいいから同梱する返品用伝票で品物だけ返送してくれと言う。思った以上に丁寧な対応にちょっと嬉しくなった。元々間違えたのは向こうと言えばそうなのだが、それでも箱もレシートもなくとも無条件で交換してくれるというのは気分がいい。正直諦めていただけにありがたかった。これで来週末こそは念願の初ドライブに行けそうだ。

 さて、そして日曜は参院選。与野党逆転が成るかどうかが話題だったわけだが、まぁ23時時点での形成を見る限り与党・自民の大敗は確定といったところでしょう。政治に対するコメントはこの場では最小限にと決めているので少しだけ書くと、そもそも今回の選挙は個人的に最大の要解決事項であると考えている国の負債の問題に、どの政党も明確な策を打ち出さずに議論すらしていなかったのが非常に心外だった。その中の最も国民にわかりやすいはずの消費税増税の論争ですらほとんど行われなかった。TVで誰かが言っていたが、これでは次の選挙まで消費税増税について大きな決定は行うなと決めなければならない。今の日本の財政状況を踏まえ、負債がこのくらいある中で財源をどのように確保してどのように割り当てれば国の財政は改善するのか、その議論や具体策が何も提示されなかったこの選挙は、私に言わせれば結果以前に既に死に体だ。消費税増税だって、それらの説明が正しく行われた上で、単純な一律増税ではなく外国を例に品目毎の税率を妥当に設定すれば一般国民的にもやぶさかな話しではないだろう。それを説明の労力と、増税という表面だけ取られて真意が伝わらないリスクを恐れて議論すらしない状態では、国民のための政治とは思えない。その意味では、どの政党も失格だ。何年か経って「やっぱり遅かったです」ではダメなのだ。日本がアルゼンチンの二の舞にならないことを祈る。


2007年7月28日土曜日

ゆっくりと

 今、一本のウィスキーを空けた。Cragganmore Double Matured 1988。シングル・モルトにはまり始めた頃に買った一本で、当時はこれを購入することが金額的にかなりの冒険に思えた。元々クラガンモアは好きだったので、そのDouble Matured版もさぞおいしかろうと期待を込めて手にし、実際これはおいしかった。開栓したのがちょうどウィーンフィルを観に行く少し前だったので、実に三年近くかけてやっと空けたことになる。さすがにここまで引っ張ったのは珍しい。

 環境や年月で品質が変わりにくいウィスキーとはいえ、さすがに開栓して三年も経つと劣化は否めない。味わいは少し甘みが抜けて平坦になった気がする。クラガンモア特有のグラスに注いだ瞬間に華やかにふわっと広がる香りも、さすがに少々色褪せた。色々な人達と一杯ずつ楽しんだこのモルト、最後の一杯は娘をラックで揺らしながらいただいた。三年も部屋にあったボトルは、さすがに少し名残惜しいものだ。

2007年7月25日水曜日

戦場跡

 夜23時過ぎに家に帰ると、また部屋が静まり返っていた。娘はリビングでラックに乗せられてスヤスヤと眠っており、妻は普段着のまま寝室でグッタリと眠っている。きっと、また娘が寝付かずに大暴れして、やっとの思いで寝かしつけたのだろう。そして力尽きて自分も眠ってしまったのに違いない。ご飯と煮物が作ってあったので、それにインスタント味噌汁を付け足してありがたくいただき、そっとシャワーを浴び、そしてそっとネットをやる。こうして娘と妻と、どちらも力尽きる程の激しい戦闘があった後は、娘はいつも実に心地よさそうな顔をして寝ている。きっと、疲れからグッスリと眠れているのだろう。寝姿からも疲労の色が伝わって来る母親とは対称的だ。何にせよ、子育ては戦場だ。夜討ち、朝駆け、何でもありの戦場だ。それでも、この寝顔や笑顔が見られるならいいかなと、今日の闘いにまるで参加しなかった父親は無責任に思う。さて、夜討ちは自分が迎え撃たなければならない。

2007年7月17日火曜日

中越沖地震と結婚記念日

 三連休の最終日の今日、孫に会いに来ていた両親と共に朝食を食べ終わった朝10時過ぎくらいのことだった。足下が、ユラッと揺れた気がした。両親も揺れに気付き、「地震だ」と周囲を窺う。かなり長い間、大きくゆったりとした横揺れが続いていた。金魚の水槽で水が溢れそうに左右に振られている。結構、大きな地震だなと警戒していると、BS1で観ていたメジャーリーグの画面に地震速報が映った。速報にしても妙に早いなと思っていたら、ここ横浜についての速報ではない。10分程前、新潟で震度6強という速報。一瞬、理解ができなかった。今まさに、まだ足下は揺れている。しかし画面に映る速報は10分程前の新潟の情報。しばらくして、やっとつながった。新潟で起きた地震が、200km超の距離を10分程かけて伝わってきて、今ここ横浜が揺れているのだと。

 何人かの新潟の仲間にメールで連絡を取ってみると、とりあえずその当初は皆「ものはいくつか落ちたが、大丈夫」という回答が多数。ニュースも地震発生後すぐの時点ではそれ程壊滅的な被害を報道していなかったので、まぁ一旦一安心した。ただ、両親は今こっちに来ているので、実家には祖母が一人だ。当然のように電話はつながらない。メールは比較的つながるものだが、祖母は携帯など持っていない。実家の状況が知りたいところだが、そうもいかないのが気になるところだった。

 話は変わるが、今日は私達の結婚記念日。一年目ということで、両親に娘を見てもらってレストランで食事をしようということで、横浜のレストランのランチを予約してあった。ので、地震発生から一時間も経たない内に、情報が整理されて報道が始まる前に家を出た。横浜から公衆電話で実家にかけてようやくつながった時には、とりあえず祖母は元気とのことだった。

 ところがいざ16時過ぎに帰宅してみると凄いことになっている。ここ数年天災・人災続きの柏崎が特に壊滅的な打撃を受けたのを中心に、三条・燕・加茂でも震度5強。怪我人も続出。この三地域が震度5強ということはそこに挟まれた実家も恐らく同程度の被害でしょう。両親が帰ろうにも、夕方17時の時点で新幹線は越後湯沢-新潟間で完全に止まっています。それでも一旦東京駅まで出るとのことで、夕方に両親はウチを出て行きました。ところがそこからが大変です。18時過ぎに「新潟まで新幹線が復旧して、それに乗れた」と連絡が入ったまではいいのですが、その一時間後くらいにまた連絡が入り、「落石が見つかったのでまた新幹線が不通になった」と言って高崎で足止めです。その後21時を目処に復旧を目指すとのことでしたが、両親は最悪もう一泊ウチに泊まってから新潟に戻ることを視野に入れ、一旦高崎から東京に戻ります。そして21時過ぎに今度こそ復旧したという新幹線にやっと乗れ、23時現在まだ燕三条には着いていないようです。

 そしてこれを書いている23時15分過ぎ、また横浜で地震がありました。ギシギシと揺れる酒ラック。またか、と思ってテレビを付けて速報を待つと、今度は東北・北海道の方で震度4弱。また、違う地震のようです。今やっと更新されたYahoo! 地震情報を見てみると、今度は京都府沖。でも何故か被害は北海道の震度4を中心に東北寄り。ただ、震源地を見る限りやはり日本海側のプレートから来ているようです。日本海側のプレート、連鎖反応を起こしているのでしょうか。まだまだ、警戒が必要のようです。

2007年7月8日日曜日

開設9周年

 また今年も七夕がやってきた。ということは、この雑記帳の開設記念日である。1998年7月7日が開設記念日なので、実に今年で9周年。最近書く記事数が減ってしまっているところが来てくださっている皆さんにも自分自身にもすまないところだけれど、ともあれ9年間続いたことになる。これからも可能な限り意欲的に更新を続けていきたいと思うので、皆さんも気が向いた時にはこの『ayum's note - あゆむの雑記帳』を訪れてあげてください。よろしくお願いいたします。

 ところで、9年前この雑記帳を7月7日に立ち上げた時のことで覚えていることがある。当時私は大学2回生。RAINBOW Staffの仕事もまだまだこなれておらずに忙しさを感じながら、部活ではギタ連定演に向けて後に"ブランデンブルグおんぼろ四重奏団"と自称(自嘲?)することになる京大の聖帝、龍谷のつっきー、工繊のS女史との四重奏の練習を(あまりできていないなりに)やっていた頃だ。授業はどんなだったか、よく覚えていない(苦笑)。その年の七夕は詳細は忘れたものの妙に忙しい一日で、大学を夕方に出て家に帰り、それまで学内のイントラ内のサーバにあったこの雑記帳をさくらインターネットに移行して、その後日が暮れてからギターを担いで丸太町通を東へ急ぎ、京大のBOXに練習に行った記憶がある。確か聖帝とつっきーが練習後にウチに泊まりにきて、二人乗りで私の後ろに乗って移動していたつっきーが私の自転車を壊したのはこの時ではなかっただろうか?そこはあまりよく覚えていないのだけれど。

 先日、久し振りにそのつっきーからコメントが入っていた。今思えば卒業後10年続く程たくさんの接点があったわけではない彼と、これだけの時が流れた今もこういったやり取りができるのはやはり嬉しい。そして彼のBlogを読むと「相変わらず頑張っているんだな」と思い、こちらも負けてはいられないなと思う。そういった小さなつながりを保てているだけでも、この雑記帳を9年続けてきた意味はあると感じているし、まだこれからも続けていこうと思う。その時々の自分を映す鏡として、時間に伴う変化を刻む軌跡として、人と人がつながる待ち合わせ場所として。時には、それは例えば、人気のない神社を守る神主のように。

 改めまして、今後もこの雑記帳をよろしくお願いいたします。

2007年7月3日火曜日

静粛に

 家に帰ってみると、妻と娘は眠っている。部屋の様子から察するに、ずっと泣きわめいていた娘がやっと眠って、自分も疲れて一眠りといったところだろう。お湯でも湧かすと物音で目覚めるといけないので、あるものを持ってとりあえず自分の部屋で夕食を取る。当然、音楽もかけない。静粛に。静粛に。息を殺して、本を読み、インターネットをぶらりと眺める。たまに忍び足で娘の寝顔を見に行ったりして。ところで、二人とも一体いつまで寝ているんだろう・・・?

2007年7月1日日曜日

子供がいる生活

 妻と娘が佐賀からウチに帰ってきて、早一週間が過ぎました。先週土曜はウチに妻の両親と私の両親も泊まっての祝宴。日曜は川崎に住んでいる叔母にも協力してもらい、7人+赤ちゃんで大倉山の熊野神社にてお宮参りをしてきました。熊野神社は由緒は正しいが最近改装されたばかりでお宮は新しく、そして何より空いていて落ち着いている。でも祈祷はちゃんとしてくれる神社で、ストレスもなくあっという間にお宮参り終了。人もほとんどおらず、お宮参りの参拝者も私達の他にもう一家族しかいなかったので、参拝後もお宮の前で皆で記念写真を撮ったりと、ゆっくりお参りしてきました。なかなかよかったです。ちゃんとお札ももらえましたし(まぁ、当然か)。あれでBGMの雅楽がCDでなくて生演奏だったら最高だったのですが(笑)。

 そしていよいよ妻と娘と3人での生活です。夜の帰りがひどく不規則な私は、朝に子供を風呂に入れてから会社に行くという選択肢を取りました。自然、朝が一時間程度早くなります。そして夜は(ウチの娘は比較的おとなしい方らしいですが)3時から4時くらいに一回は起きてミルクをくれと大泣きする赤ちゃん。そこから一時間くらいかけてミルクをあげて寝かしつけるので、睡眠時間は格段に削られます。いやー、疲れますね(苦笑)。育児もなかなか大変です。

 そして土曜である今日は妻を買い物にやって、日中私が一人で赤ちゃんを見ていたのですが、これがなかなか大変です。アメリカの査定企業が子育て専業主婦に賃金を払うとしたら妥当な年収は1,600万円という調査結果を出していましたが、なるほど、こいつは精神的にも肉体的にも重労働です。疲れという意味では会社に行ってた方が楽だな、とか思ってしまいました。

 話は少し変わりますがこの一週間、子供が泣いたり寝付けなかったりする時に色々と音楽を聴かせてみていました。バッハ、モーツァルト、ビーバー辺りを中心にアーリーバロックからモーツァルトまでを試していたのですが、その中でいくつかわかった傾向があります。
・音楽をかけると赤ちゃんなりに聴いてはいるようだ
・協奏曲や交響曲よりは独奏から弦楽四重奏くらいが好きらしい
・ピアノよりはヴァイオリンやギターが好きらしい
そんな中で、特にお気に入りのCDは今のところ次の2枚です。
『J.S.Bach Cello Suites』Jaap ter Linden
『Bach on Lute Volume. 3』Nigel North

 前者は古楽器のチェロ(現在のものと違いガット弦)奏者の第一人者で、A.マンゼとの活動で知られるテア・リンデンが弾く無伴奏チェロ組曲の全曲集。タワレコでBRILLIANT CLASSICから出ているこの盤の廉価版が2枚組680円で売っていたので買ってきたのですが(Amazonでは廉価版が見つからなかったのでリンクは正規版)、これが素晴らしい当たりでした。古楽器の響きも、ゆったりと情感溢れる演奏も素晴らしい。ウチの子はお腹の中にいる頃からよくこのCDを聴かせていたのですが、やはり今でもこのCDを聴くと落ち着くようで、よく寝てくれます。

 後者はリュートで演奏される、同じく無伴奏チェロ組曲。ウチの子、無伴奏チェロ組曲が好きらしいです。鎮静作用としてはこちらのCDの方が優れているようで、最初のチェロ組曲第一番の『プレリュード』が終わる頃にはもう大体興奮も収まってうとうとしていてくれます。このCDはリュートによる演奏自体も素晴らしいですが、その素晴らしい録音・マスタリング技術によりオーディオマニア受けが非常にいいLINNレーベル、やはり音が実にきれいに再生できます。

 どちらも子供に聴かせるにも自分が聴くにもお薦めの一枚です。子育ては大変だということが早くも実感できているわけですが(苦笑)、子供も大人も癒されるこういった名盤を見つけつつ、自分なりに頑張っていこうかと思っております。