2008年6月16日月曜日

今週の掘り出し物

 24時間音楽計画と平行して、最近はiPodにほぼ日替わりで新しい音源を入れて、これまで買ったはいいけどあまり深くは聴き込んでこなかった音源、あるいは最近買ってまだ聴いていなかった音源の発掘に尽力しています。先週はテンシュテットが指揮を振るブルックナーの『ロマンティック』を発掘しました。そして今週も、またいくつかいい音源が見つかりました。

 一つはピエール・モントゥーが指揮するシカゴ交響楽団のフランク作曲『交響曲ニ短調』。元々はストラヴィンスキーの『ペトルーシュカ』のいい演奏を探していて購入したCDです。モントゥーは19世紀後半生まれで20世紀半ば以降まで活躍した指揮者で、同時代の名指揮者の一人。『ペトルーシュカ』や、同じくストラヴィンスキーの名曲『春の祭典』の初演者でもあります。そんなこんなで実はこのCD、『ペトルーシュカ』ばかり聴いて満足していて、ほとんどまともにフランクの『交響曲ニ短調』は聴いていませんでした(苦笑)。

 ですが、実際に聴いてみるとこの曲がまた実にカッコいい。曲の説明の詳細はリンク先のウィキペディアに譲りますが、Lentでゆっくりと不安げに始まる曲は序盤から緊張感溢れる荘厳な弦の同音連打(ギター合奏で言うところのトレモロに近い)でじわじわとエネルギーを溜め込んでいき、最終楽章のクライマックス、鮮烈な旋律とともに一気に解放された緊張感が音楽としてのカタルシスにつながっていくのです。最終楽章に至るまで聴き手にある種の緊張感の持続と忍耐を要求する曲でもありますが、それが解き放たれた時に噴き出すエネルギーはもの凄い。といってもベートーベンの『運命』の第3楽章から第4楽章への移り変わりのような暗から明への転換ではなく、あくまでどこか暗い情熱をそのまま噴出していく、ある意味ではバロック的な内省を持った交響曲。またモントゥーの指揮が序盤の緊張感をある種の敬虔さを持って紡いでいて実にいい。これは素晴らしい曲、そして演奏です。録音も1961年のステレオ録音でなかなかいい。少なくとも、古さは全く感じない録音です。

 しかしこのフランクの『交響曲ニ短調』、どうやらあまり有名な曲ではないらしく、他に録音を探してもなかなか見つかりません。どうやら、フルトヴェングラーがライヴで演奏したCDがあるらしいです。フルトヴェングラーはベートーベンとブラームスの交響曲以外は自分が納得した曲以外振らなかったというのは有名な話ですが、その彼が演奏をしているということは、やはりこの曲は彼のお眼鏡に適うだけの価値がある曲だったのでしょう。このフルトヴェングラー盤はまだ持ってませんが、是非一度聴いてみたいものです。

 まったくの余談ではありますが、また昨日は娘の寝かしつけで一緒に眠りこけていましたとさ(苦笑)。

2008年6月9日月曜日

24時間音楽計画

 また昨日も日記を書こうと思っていたのに娘の寝かしつけで一緒に沈んでしまった今日この頃、皆さん如何お過ごしでしょうか。いやー、しかし日頃の疲れ+暗闇+適度のアルコール+静かな音楽はさすがに聴きます。寝ます。まぁ仕方ないでしょう(?)。

 というわけで先々週は東京文化会館にウィーン・フォルクス・オーパーが上演するJ.シュトラウス2世のオペレッタ『こうもり』を観に行き、先週はロックバーで飲んでいたという緩急の差が激しい音楽生活を過ごしている最近ですが、今週はとある計画を実行に移しました。その名も『24時間音楽計画』です。

 きっかけは小泉 純一郎氏が著した『音楽遍歴』。政治家としての彼が好きか嫌いかというのはともかくとして、本屋で見かけて何となく読みたくなったので買って読んでみました。

 まぁ、正直それほど深いことが書いてあるわけではないのですが、いくつか共感するところがありました。例えばクラシックは一度聴いただけではわからない、好きなところがみつかるまで何度か我慢して聴く辛抱強さが必要だという点。これは私はクラシックに限らずロックもそうだと思っていて、高校時代ロックを周囲に布教していた時にCDを貸す際に添えていた言葉が「とりあえず通して2度は聴け」でした。音楽は、そのよさがわかるようになるためにはある程度聴き手に忍耐を求める場合がある。その小泉氏自身が音楽を、クラシックを好きになって行くその経緯、方法は面白かったです。

 そこで出てきたのが今回の『24時間音楽計画』。小泉氏は普段音楽をよく知っているものでも知らないものでも、状況が許す限りは常にBGMとして流しているそうです。そしてその中からふっと「これはいい曲だな」と思うものがあればそこから掘り下げて行く。これは音楽の幅を広げて行くにはなかなかいいやり方のように思えました。もちろん音楽を本当に満喫するには聴くと意思を固めて、じっくりと聴くのが当然一番いいわけですが、それではなかなか裾野を広げて色々な音楽を聴くのが難しい。ところが逆に変な話、BGMとして割り切って流すのであれば何かをやりながらでも別にある程度音楽は聴ける。よく知っているものでもそうでないものも、です。そしてその中でちょっとでも気に入った曲やフレーズがあったら覚えておき、後でじっくり聴き直せばいい。そういうやり方でなら聴かず嫌いをなくして、広大な音源がひしめくクラシックの様々な魅力を探索できるように思えたのです。

 で、今回の『24時間音楽計画』。これまで我が家には私の(自称)書斎にはONKYOの5.1ch対応のコンポ(SACD/DVD-A対応)があり、寝室には妻が独身時代から使っているコンポがあります。が、リビングには音楽機器が何もなかったため、これが日々の生活が音楽に浸りきらない要因の一つになっていました。そこで今回、ヨドバシのアウトレットで一万円を切る程度のコンパクトなCDラジカセを購入。テーブルの上にちょこんと乗っけておいて、いつでも音楽が聴けるようにしようというわけです。当面は私も試しに買って一度くらいは聴いたけど、結局その後真剣に聴き直すこともなく埋もれているCD達をBGMとして流してみることにします。とりあえず今日はブルックナーの交響曲 第4番『ロマンティック』は結構いいということに気がつきました。やはり、音楽の裾野を広げるにはとりあえず流しておくというのも重要です。BGMにしておいても、自分の好きな曲であれば大抵気付くものですから。

 ところで、今日私が聴き直してみたテンシュテット指揮 ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団の1984年東京簡易保険ホールでのライブ録音、これはなかなかお薦めです。値段も2枚組で1,000円とお手頃ですし、シューベルトの交響曲 第8番『未完成』も含めて、テンシュテットが非常にいい指揮を振っています。今でこそ日本でも名指揮者の誉高いテンシュテット、当時はまだ日本では名が知れていなかったという頃のライブ録音。このコンサートがきっかけで日本でも認知が高まっていったとか。それがTDK Original Concert Selectionシリーズで出ています。FM東京の秘蔵音源をシリーズ化しているこのシリーズは、なかなか掘り出し物が出てきます。録音も意外にいい。今回のこのCDはテンシュテットの指揮でシューベルトの『未完成』もブルックナーの『ロマンティック』も二度おいしい、なかなかの掘り出し物です。

2008年6月2日月曜日

久しぶりの更新

 久しぶりの更新になります。仕事が少々忙しかったとはいえ、週末には更新しようとしているのですが、最近はその際に障害となることがあります。それは、娘の寝かしつけ。平日は家に帰るともう既に寝ているので、休日くらいはと娘を寝かしつけようとするわけです。すると、最近はウチの子は抱っこよりは添寝が好きなので、暗くした部屋の中で一緒に寝ることになります。静かなクラシックのBGMも流れています。休日は夕食時に大抵一杯はやって軽く気持ちよくなっています。・・・まぁ、見事に娘もろとも私も寝入ってしまいます(苦笑)。

 そんなわけで、最近は休日の更新もできずにいたとのことです。書きたいことは色々あるのですが、実は今日も一旦一緒に寝入ってしまい、起きてはみたものの結構くらくらきています。今後は初心に返って平日の更新も頑張ろうと自分に言い聞かせつつ、今日は軽めにお終いにします。では、おやすみなさい・・・。