2008年11月14日金曜日
2008年11月9日日曜日
謁見、路上にて
ららぽーとを14時過ぎに出て、また都筑インターの前を通って家路につきます。すると、今度は警備がさらにものものしく、しかも歩道にはたくさんの人が群れをなして何かを待ち構えています。都筑インターを超えて日吉に向かう方面ではもはや信号ではなく警官が全権を掌握して車の流れを整理しています。どうやら対向車線側に皇族の車がこれから通る様子です。恐らく、日吉を出てから都筑インターで第三京浜に乗って帰路につくのでしょう。東山田を右折した辺りになると、とうとう対向車線は一般の車は走っておらず、パトカーと白バイのみがゆっくりと走っている状態になりました。そして我々の車線も車がすべて止まっています。「これは、丁度来るんだな」と思い、とりあえず車を右車線に寄せて渋滞の列に並びました。歩道ではカメラを構えた人だかりができています。
そのまま、待つこと数分。明らかに、それとわかる車が一台やってきます。当然、何台ものパトカーや白バイに周辺を警護されて。窓を開けてこちらの車線に向かって手を振るその人は、紛れもなく天皇陛下です。皇太子様を見た時にも感じた、決して人を不快にさせることのないその笑顔は、天皇陛下にいたっては皇太子様よりさらに円く穏やかで、おおらかに手を振って沿道や対向車線上の人に応えていました。ほんの数秒、天皇陛下の乗った車は私の車とすれ違い、その後、渋滞は何事もなかったかのように動き始めました。妻は「天皇陛下と目が合ったよ」と言ってホクホクしていました。まぁ何にせよ、天皇陛下の車とあの距離ですれ違うというのもなかなかないものです。路上での謁見(?)はそのようにして無事に終わったとのことです。
2008年11月4日火曜日
わたしと小鳥とすずと
お空はちっともとべないが、
とべる小鳥はわたしのように、
地面(じべた)をはやくは走れない。
わたしがからだをゆすっても、
きれいな音はでないけど、
あの鳴るすずはわたしのように
たくさんのうたは知らないよ。
すずと、小鳥と、それからわたし、
みんなちがって、みんないい。
金子みすゞ
最近休日は子供と一緒に子供向けのNHK教育の番組を見ていることが多い。NHKは時に『サラリーマンNEO』に代表されるようなとんでもなくシュールで他を寄せ付けない番組を突然作ったりするが、子供向けにもそんなプログラムがいくつかある。子供より大人に大人気の『ピタゴラスイッチ』を始め、明らかに「このシュールさは子供には無理だろう」という番組がいくつかある。ちなみに私は『ピタゴラスイッチ』は大好きだが。そんな中にこの『にほんごであそぼ』もある。
これはシュールだ。シュールの極地だ。何しろ小錦がよくわからんほぼ着ぐるみの衣装を着て、子供達に囲まれながら大してうまくもない歌を歌っている。平日朝8時なんてこの『にほんごであそぼ』と『ピタゴラスイッチ』が立て続けに放送される訳だから、視聴者の立場からしてみたらたまったもんじゃない。朝からシュールな気分MAXだ。どんな気持ちで学校や職場に行けというのだ、NHK!? ・・・まぁ、嫌いじゃない。むしろ好きだ。
というわけでその『にほんごであそぼ』に最近上に掲載した金子みすゞの詩がよく出てくる。小錦がか細い高い声で詩を歌いながらなのでやはりある種のシュールさがあることは否めないが、この番組の中ではまぁまともにしんみりくる場面だ。
さてさて、作者の金子みすゞが生きたのは僅かに1903年から1930年。亡くなってからはや80年近くが経っている。鋭すぎる感性は、普遍を嗅ぎとってしまえるが故にあまりに脆い。今こそ、もう一度この詩を噛み締めてみるべき時なのではないだろうか。