2006年3月17日金曜日

仕事もバランス

 最近は少し早く帰れるようになってきた。早いと言っても21時半から22時くらいには会社を出れるかなくらいのものだが、23時から24時、下手すりゃ徹夜が日常的だった年明け2月中旬までに比べれば遥かにマシだ。そのせいか、最近はまた電車の中で本を読むようになってきた。2月中旬までの多忙を極めた時期は一応本は持って歩いてはいるものの、まったく開く気になれずにほとんど読まずにいたのだが。やはり余力がないと本を読むこともできないということだろう。

 冷静に考えれば、仕事というのは無くて暇でも能率が落ちるが(ただし私が暇な事はほぼ間違いなくない)、あまりに量が多すぎてもまた能率が落ちる。これに関しては色々と理屈を付けて説明することもできるが、まぁ要するにそういうことだ。すると仕事の量が多いのに能率が落ちるから当然仕事の時間が長くなる。仕事の時間が長くなると疲れがたまる。ストレスがたまる(仕事が好きならストレスなどたまらんというのは戯言である)。するとまた仕事の能率が落ちる。作業効率デフレスパイラルだ。こうなるともういわゆる"デスマーチ"が見えて来る。腹をくくらなければならない。

 仕事量が増えて臨界点に達すると作業効率が落ちるなら、実は結果として最大のスループットを得るためには闇雲に仕事量を増やせばいいというわけではなくなる。仕事量の調節というのはその意味で実は意外に大事だ。そして仕事量の臨界点を超えずに最大の作業効率を維持できる近辺では、実はまだ少し人にはゆとりがある。だから本が読めたり音楽が聴けたりする。するとうまくストレスも晴れたり知識を得たりして、作業効率を上げられる要因が増えてくる。何よりもまず、人生に疲れない。

 仕事を増やせば、仕事を長くやれば、結果としてのスループットは増大するという考えは、時代遅れのようでいて意外と根強い。実はことはそう単純でもないのだが。どうしてもという時に一気に短い期間全力以上の疾走で仕事を仕上げることはあるし、本当に必要な極稀な時であればあってもいいだろう。デマルコの言う"スプリント"というヤツだ。まぁでも基本的には普段は仕事量の臨界点を超えないようにした方が長い目で見たスループットは上がるし、人がすり減らない。口ではそう言っていても本心はそう思っていない人はまだまだ多いようだけれど。

 何にせよ仕事の調整ができるうちはいいけれど、問答無用で詰め込まれてしまったらもうどうにもならんのだけれどね。

2006年3月13日月曜日

節目として、始まりとして

 今日、冬から春に向けての三寒四温の"寒"に当たる冷たい風が吹き付ける中、二人で佐賀市役所に書類を提出しに行った。いわゆる入籍というヤツだ。手続き自体はびっくりするくらい簡単に終わる。書類を点検して、本人確認をして、2、3の注意事項を聞いて。ほんの10分程度。拍子抜けするくらいだ。何だか実感が湧かないものだ。正直あの10分で何かがそんなに大きく変わったとは思えない。でも確かにもう法律的には大きく変わったし(何しろ自分が戸籍の筆頭になるのだ)、きっと社会的にも大きく変わったし、やはり二人の関係や自分の在り方も大きく変わったのだろう。それに気付くのは、これからある程度時間をかけてじっくりと、なのかもしれない。

 薄い灰色の空の下、冷たい風に吹かれながら、佐賀城下雛祭りを見て回った。二年前にも、同じところを見て回った。旧古賀銀行の古びて大仰だけど落ち着いた雰囲気はやっぱりなかなか個人的には好きで、二年前に来た時にもそれぞれ写真を撮ったのと同じ場所で今回も写真を撮ってきた。比べてみると何か変わっているだろうか。入籍前と入籍後。やっぱり二年の時間分しか変わってないかもしれない。変わっていくのは、これからなのだろう。今日を一つの節目として、始まりとして。

2006年3月11日土曜日

一つの節目に飲む酒

 今日、この日に飲む一杯は、少し前から決めていた。特別な節目には、それなりの一杯が必要だ。今、目の前のテイスティング・グラスにはその一杯が注がれて、蓋をされたまま開けられるのを待っている。マッカランの18年、1985年ビンテージ。次の1986ビンテージからはラベルが新しくなったので、いわゆる旧ボトルのラスト・ビンテージだ。一年前のモルト福袋に入っていたこの一本、あまりにもったいなくて一年かけて減らしてきた。今日はこの一杯を楽しもう。これまでを振り返るように。これからを夢見るように。特別な節目には、それなりの一杯が必要だ。

2006年3月7日火曜日

ホワイト・アウト

 今朝私がいつもの通勤特急に乗って会社へ向かっている最中、それは突然やってきました。

 いつもの月曜の通勤特急。自由が丘でギュウギュウに人が詰め込まれ、車両の真ん中に立っているともう手も動かせずに、バランスを取るのも一苦労な満員電車。月曜の毎度の風景です。とはいえ今日は私は吊り革のところに立っていたので、まだマシな方でした。が、突然それはやってきました。そう、強烈な吐き気です。

 立っていると突然何の前触れもなしに強烈な吐き気に襲われます。朝食もとっていない空っぽの胃が蠕動し、軽い嗚咽が何度か出ます。それと同時に来る目眩。目の前の景色が暗くぼやけていきます。冷や汗がどっと出て、まるで炎天下をスーツで歩いた後かのように中のTシャツが濡れていきます。それに引きずられるように動悸・息切れが始まり、一気に意識が飛びそうになりました。とはいえそこは月曜朝の満員電車。いくら立っているのが辛くとも、座り込むようなスペースなどあるはずもありません。必死で吐き気と目眩と戦いながら、座席のパイプをつかんでギリギリ一杯で立っていました。早く次の駅に着け、と。

 ところがそこが通勤特急の罠で、この電車は自由が丘を出ると中目黒までは止まりません。自由が丘から駅を3つ飛ばして、やっと中目黒です。・・・非常に長く感じました。中目黒でフラフラの状態で人の波に押してもらうような状態で電車から降りると、今度はすぐにキーン・・・と耳鳴りがしてきます。そしてさっきまで暗くなっていった視界が、今度はすーっと白一色に反転していきます。ホワイト・アウトです。ああ、こりゃ倒れるなと思った私は、近くのエレベーターの柱のところにへたりこみ、そのまま2本ばかり電車を見送ってから真っ白な顔で再び会社に向かったとのことです。あー、危なかった・・・。そういや一年程前にもこんなことあったな・・・。

2006年3月6日月曜日

スランプ

 最近はどうも家にいると何かをしようという気が起きない。平日帰宅してからもそうだし、特に予定のない休日ならなおさらだ。疲れていると一言で片付ける事もできるが、どうも納得がいかない。何しろこの日記を更新するのにもちょっとした決意がいる始末。先日も書きかけの日記を下書きのまま、仕上げる事もせずにそのまま寝てしまった。よろしくない。とりあえず、リハビリの意味でシングルモルトのカテゴリーを更新してみる。ああいったレビューは書く対象が絞れているので書きやすい。それほど考えをまとめなくても書くべき事は自分の外にあるわけだから、そりゃ当然だ。対して、自分の中から何かを出す事は大きなエネルギーを使う。最近はそのエネルギーがないのか、あるいはそのエネルギーを使うのがめんどくさいのか、とにかく出力というものがおっくうだ。スランプなのかもしれない。書くべき事はたくさんあるように思うのだが。

Macallan - マッカラン14年 ザ・ゴールデン・カスク






マッカラン
Distillery : Macallan

Years : distilled in May 1991 and bottled in June 2005, aged 14 years

Area : Speyside

Bottler : The Golden Cask

Cask Type : Unknown

Product : 56% vol, 700ml

Price : 4,980yen

Remarks :


 1つ前に紹介したシグナトリーのマッカランと同じ14年もののボトラー違いという事で、飲み比べという意味で敢えて立て続けにマッカランを。こちらはマクダフ蒸留所のオーナーの個人的なストックをジョン・マクドゥーガル氏が選別したという、比較的最近出て来たブランド『The Golden Cask』。このボトラーも先のロングモーンに続き2本目なので、そちらとの比較も楽しみです。

 色は先のシグナトリーよりも少し色が濃いものの、オフィシャルの濃いアンバーとはやはり明らかに違う透き通った琥珀色。色だけを見ていると先の同じGolden Caskのロングモーンとほとんど見分けがつかない、見るからに華やかな色合いです。マッカランに限らずウィスキーというのはあまりに色が薄すぎると私は「ん~、これホントにおいしいのかな?」と心配になってしまうのですが、これはそんな心配もさせないほどよい色合いです。

 56%と度数が高いこともあってか、マッカランにしては非常に揮発性の強い香り。オフィシャルの落ち着いた甘みのある香りと比べると、華やかさと爽やかさが前面に出て来て少し軽くなった印象です。マッカラン特有の蜜のような濃密な香りは息をひそめ、爽やかな甘さと夏草のような香りが広がります。よく確かめると確かにマッカランなのですが、ちょっと確かめただけではむしろグレンキンチーじゃないかとすら思うような、ちょっとライトな香りです。シグナトリーのアンチルフィルタード・コレクションに関しては「樽から来る木の香りの印象が強い」のが特徴のように思えるとかいたのですが、このThe Golden Caskシリーズは明るく華やかな香りに最大の特徴があるように思います。

 口に含むと度数が高いことも大きく起因しているのでしょうが、結構刺激が舌につきます。一瞬強い刺激とともに甘みが広がってすぐにすっとその甘みが消えて麦の味わいに変わり、あまり長くない余韻を残して消えて行く感じ。非常に上質な甘みが隠れている気はするのですが、どうにも刺激が強すぎてあまりいい面が前面に出て来てくれないのです。とりあえずこれは度数が強すぎるのが問題なんだなと思い、少し水で割ってみました。そうすると嫌な刺激はさすがに丸くなり、やっと奥に隠れた優しい麦の甘みと爽やかな夏草のような後味が表に出て来てくれます。なかなか個性の強いマッカラン。マッカランはスペイサイドのモルトですが、それよりはちょっとローランドモルトよりの香り・味わいを持っているような気がします。しかも度数が高いせいか、本質的に非常に明るく華やかな性格を持ったモルトなのに、一点刺激の角が舌につく。これはちょっとばかり水で割って飲んだ方がおいしいかもしれません。

 最後になりますが、私が手にしたボトルは644本中616本目でした。