2001年10月14日日曜日

漢方と証

 実はさっきまでちょっと色々漢方薬について調べていました。私は以前から胃腸薬は大正漢方胃腸薬を常に使用して、それだけではありますが微妙に漢方にもお世話になっています。いや、大正漢方胃腸薬いいんですって。まぁそれはおいておいて、この前喘息がちょいとばかり頻発し、仕方がないので近くの病院に行ってきたのですが、その時にこれまで飲んだことのない新しい薬を2種類渡されたのです(これまで使っていたなじみの薬ももらえましたが)。ひとつはいわゆるステロイド吸入薬の『フルタイド』。従来のステロイド剤より副作用や依存性が低く、効果も絶大という魔法のような薬でこの薬が出た当初は需要に供給や処方が追い付かないといった状況まで発生していたようです。そしてもう一つが漢方薬の『紫朴湯(サイボクトウ)』でした。で、ステロイドの方は一応効き方やメリット、デメリットのおおまかなところは既存の私の知識の範疇にあったので軽く調べる程度で納得し、「うん、酷い間だけ試して落ち着いたら使うのやめよう」という結論に達したのですが、如何せん困ったのがこの『紫朴湯』。私の医学・薬学の知識は西洋のものに偏っていますので、どうにもわからなかったのです。しかしまぁ世の中便利になったもので、ネットを探せば出るわ出るわ。で、『紫朴湯』についてもわかったのですが、漢方の話を読んでいたらなんとなく面白くなってしまって二時間くらい読みふけってました(爆)。

 西洋医学が病原を特定してその病原を排除するという方向を基本にして進歩してきたのに対し、漢方は人間それ自体が持つ体のバランスを整え、自然治癒力を高めるという方向を基本にして体系だてられてきました。故に漢方は西洋医学で原因が特定できなかったり根治が難しかったりする病気や症状においても効果を発揮する場合が多いのですね。逆に発作や急を要する病状の場合、漢方の殆どは速効性という意味では西洋医療に及ばないので大人しく病院に行った方がよろしいわけです。

 私が漢方の考え方で特に興味を持ったのは"証"という考え方です。西洋医学では「この症状に対してはこの薬」というように病状に対して処方しますが、漢方では体質やら病気の時期やら何やらそんなことをまとめた(?)"証"というものに対して薬を処方するわけです。だから「頭が痛いからこの薬」ではなく、同じ「頭が痛い」でも人によって処方する薬が全然変わってくるのですね。で、漢方の先生はじっくりと患者さんの話を聞いて肌の色やら髪の色やら舌の色やら見て判断するわけです。しかし最近は日焼けやら茶髪やらで漢方医療士さんは泣いてるそうです(笑)。まぁとにかくなんとなく面白い世界ですよ、漢方ってのは。

 そうそう、まったくの余談ではありますが、私がもらった『紫朴湯』、喘息に対しての長期服用の効果は至る所で証明され最近は一般の病院でもよく用いられるそうですが、他にどんなのに効くかというと(この薬を効能で分けるのは実はあまり漢方的ではないのですが)、ストレス等による自律神経失調症(頭が痛いとか体がふわふわする感じがするとか)やら抑鬱症などにもよく効くそうです。・・・う~ん、ストレス性の神経症にも効いちゃうんですか・・・。

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