2002年10月20日日曜日

雨音が聞こえる

 言葉が浮かばない。いくら本を読んでそれについて考えてみても、何故か書くべき言葉が浮かばない。言葉を殺す、社会という制度のしきたりにさらされているせいだろうか、あるいは時間や余裕の問題だろうか、それともこれは、俺の感性の問題なのだろうか。書くべきことはたくさんあるように思われる。頭の中に浮かんでは消えていく思念の断片達。だが、いざそれらをまとめて言葉として表わそうとする時、何故か俺の内部の機能はことごとく停止する。言葉にならない言葉達が、ここしばらくの間どれだけ俺の頭の中で生まれ消えていったことか・・・。はがゆさを感じる。そんな俺の心を急かし、あるいはなだめ、嘲笑い、哀れむかのように、外では冷たい秋の雨が静かに降り注いでいる。コンピュータのファンが回る音しか聞こえないこの部屋の中、ただ雨音が聞こえる。それが何を象徴するのかもわからないまま、物憂げに木々が打たれる音が聞こえる。そう、雨音が聞こえる・・・。

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