2006年6月2日金曜日

BLOGのモチベーション

 ここ数日の間で2ちゃんねるのスレッドの中で面白いものを紹介していくという、いわゆる「スレ紹介系」と呼ばれるブログの閉鎖が相次いでいるらしい。そうしたブログは2ちゃんねるの面白いスレを紹介することで自分のブログに客を集め、その集まった客層を対象にするアフィリエイトでお金を儲けていたらしい。その"アフィリエイトで金を儲ける"ところに2ちゃんねらー達が反発し、結果としてスレ紹介系のブログが閉鎖されるという経緯を辿っているそうだ。ITmedia Newsで読んだ記事に、渦中のブログ管理人の言葉が紹介されていたものを下記に引用してみる。

 5月31日だけでも7万近いアクセス数を誇る「【2ch】ニュー速VIPブログ(`・ω・´)」の管理人は自身のブログ上でこう心境を述べた。「アフィリ(エイト)はブログを続ける“モチベーション”になってました。今スレ紹介系ブログのアフィリが問題になってますが、ほとんどの管理人が僕と同じモチベーションを保つためにやってるはずです」。その一方で、「そして2ちゃんねるの住民の人が『俺達の書き込みで金儲けしてんじゃねーよ』と騒ぐのも必然です」と、住人側への理解も示した。

 ブログを更新し続ける、日記系のHPを更新し続けるのに、ある程度のモチベーションが必要なのは確かだ。このHPももう8年目に差しかかろうとしているが、やはり更新を続けるためには明確な意思が必要なときもある(自然発生的に書いていることももちろんあるが)。とはいえ、そのモチベーションをアフィリエイトに持っていこうと思ったことは一度もない。『あゆむの雑記帳』は立ち上げ当初から「余計な画像は使わない。広告は自分の意志で認めたものしか出さないので、サービスには金を払うか自分で作るかで無料使用で広告掲載のものには屈しない」というコンセプトでやってきた。たまにAmazon等にリンクを張っていることはあるが、あれにアフィリエイトを入れたことは実は一度もない。明確な意志を持ってアフィリエイトを使わずにいる。それは「このHPでは金は稼がない」という開設当初からの指針だ。金が絡むと、どうしても金が儲かる方に進みたくなる。すると、結局「書きたい時に書きたいものを書きたい」という最低限で最大限の欲望を満たすこともできなくなる。

 ブログの普及で総表現社会が到来する(あるいは既にある程度実現している)というような言い分を最近よく聞くが、アフィリエイトをモチベーションにした表現に力はあるのかと疑問に思う。実際、今回閉鎖しているブログ達は自分の表現で稼いでいるわけではなく、いわば他人のふんどしで相撲を取って稼いでいたわけだ。そりゃふんどしの持ち主は怒る。WEB2.0という言葉について(本質的な部分ではないにせよ)先日少しばかり言及した。見ていると、この言葉の周りにはその技術がもたらす表現と知識スパイラルの可能性よりも、金を稼ぐという意味での可能性がフューチャーされてばかりいる。一部の技術者向けな情報ソースは話が違うとしてもだ。それは少しばかり、悲しいことだと思う。


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