2005年10月30日日曜日
2005年10月26日水曜日
28才最初の夜とAEROSMITHの『GET A GRIP』
実感のわかない誕生日だった。「そうか、もう日付変わってんのか。そうだよな、間に合わなかったんだもんな」。正直、その程度の感想だった。電話を切って電車に乗って日吉に帰って、コンビニ弁当を買って部屋で一人で食べる。ここ数年恒例の、いつもの誕生日だった。何も変わらない。特別嬉しいこともないが、変に寂しくなったりもしない、例年通りの誕生日だった。ただ、風呂を入れて「さぁ入ろうか」という時、何故かわからないが突然AEROSMITHの『LIVIN' ON THE EDGE』が聴きたくなった。何の前触れもきっかけもなく、不意に、それはまさに啓示のように。風呂場で『LIVIN' ON THE EDGE』を口ずさんでみた。歌詞は正直もううろ覚えだ。もう何年も聴いてない。高校の頃文字通り『FEVER』するくらい好きだったAEROSMITHのアルバム『GET A GRIP』。その中でも一番好きなのがこの『LIVIN' ON THE EDGE』だった。印象的なギターの旋律に乗って始まる歌い出しがたまらなく好きだった。
♪There's a somethin' wrong with the world today
I don't know what is...
このCDを買ったのは偶然だった。高校から帰る途中に寄ろうと思えば寄れる、その近辺では唯一やたらマニアックな輸入CDを扱っているCDショップ。そこでこの『GET A GRIP』を見つけた。それも普通のジャケットのものじゃない。輸入盤の限定の、CDケースが牛柄のフェルトで一面覆われているデジパック仕様。とても手触りがよかった。当時AEROSMITHが特別好きというわけでなく、ただ名前は知っていていつか聴いてみたい程度の興味しかなかったが、この印象的なジャケットを一目見てほしくなってしまった。そしてその場で購入し、ジャケット以上にその音楽に衝撃を受け、しばらくはゲフィン時代のAEROSMITHにどっぷりハマっていくことになる。
当時、周囲でも洋楽を聴いているヤツはほとんどいなくて、色々な仲間にこの『GET A GRIP』を貸して回った。ほぼ例外なく貸したヤツ皆がこのアルバムのファンになって返ってきた。そうして何人ものAEROSMITHフリーク、ひいては洋楽フリークを増やしていったものだ。今思えば、新潟の中途半端な地方都市の進学校の高校生という、若さ故の大きなエネルギーのやり場がなくて持て余し気味だった、あの頃あの立場だったからこそ、あの音楽があれ程強く心を揺さぶったのだろう。とにかくそのようにして、このAEROSMITHの『GET A GRIP』、ウシのフェルトのデジパック仕様のCDは、大袈裟に言えば、しかし確かに、青春の1ページとしてしっかりと胸に刻まれた。
本当に何年ぶりかわからないくらい久しぶりに聴いた。やはり一番胸に響いたのは『EAT THE RICH』でも『CRYIN'』でも『CRAZY』でもなく『LIVIN' ON THE EDGE』。何故だろう。歌詞が特別好みというわけでもない。音も豪勢な作りではあるけれど、単純に曲の出来という意味では先に挙げた3曲の方が上だろう。でも、やはり一番好きなのは『LIVIN' ON THE EDGE』で、今晩聴きたくなったのも何故かこの曲だった。自分でもわからない好みというのはある。1つだけ確実に言えることがあるとすれば、最初の歌い出し。あのギターの旋律、伴奏が作り出す雰囲気、そして歌われる詞。その最初の何小節かは、そこだけで涙が出そうになる程ツボにはまる音楽だ。もしかしたら、それがすべてなのかもしれない。
とにかくそのようにして、28才最初の夜に何年ぶりかに『GET A GRIP』を聴いている。突然、啓示のように訪れた衝動の赴くまま。『CRYIN'』がもう終わる。そろそろ寝なければならない。明日も仕事があるし、まだ風邪も治ってない。このもう少しフェルトがやせてしまったウシのジャケットも、またラックにしまっておこう。また、聴きたくなるその時まで。音楽は、昔と変わらずカッコいい。だけど、ジャケットは少し手触りが悪くなっちゃったな・・・。
2005年10月24日月曜日
現代の地下世界
ところで、病床に伏していると本を読むかTVを観るかくらいしかやることがありません。それも体力に余裕のあるうちは本が読めるのですが、いよいよダメになってくるとTVを観るくらいしか気力が追いつかなくなってきます。おかげで昨日の濃霧の中の日本シリーズも目撃しました。端で見ている分には霧に乱反射する球場のライトの光はかなり幻想的で美しかったと思うのですが、選手や観客、ないしは試合の続きを観たいTVの前のファンにはたまったもんじゃなかったことでしょう。なかなか斬新な光景でした。
で、それはまったく本題と関係なく、今日は太陽が出ている間は比較的具合が良かったので(暗くなってきてまた少し沈んできましたが)、中沢新一の『アースダイバー』という本を読んでいました。東京という土地の古代縄文時代の神話的な時代の姿と現在の資本主義の一代表的な姿の不思議な相関を神話学や民俗学的な視点から読み解くという本です。近代以降、徹底して資本主義的に作られてきたと思われている東京という街に、如何に古代のスピリチュアルな要素が混じり込んでいるか。他では見ない新しい視点だと思います。
まだ全部は読んでいないのですが、なかなかもの思うところがあったので、その部分だけ読了を待たずに簡単にメモ書きの勢いで書いてしまうことにします。最近は本を読んで考えることはあってもそれが形になることが少ないので、とりあえず頭の中にまとまる前に思うがままを。
ぼくたちの知らない地下の世界には、地上で役に立たないとされたものたち、競争に敗れてしまったものたち、地上を支配する価値から排除されたものたち、ようするに地上の世界からの「排泄物」のすべてが、無数の水路を通じて、地下の世界の王国に、流れ込んでくるのである。そしてそこに、地上の価値に見放された、のけものたちの王国が作られて、別の価値と別の美に輝く、息をのむような大伽藍が開かれているのである。
地上の価値から排除されたものたちが形作るのけものたちの王国。元々はキリスト教もローマ帝国の価値から弾かれて地下のカタコンペに住み着いた、地下に溜まった汚物を養分とした隠花植物だったという。では今、東京の地下には何が住み着いているのか。
おそらく、東京の地下には何もない。中沢新一が言うように、渋谷の地下には新宿御苑の玉藻池を水源とする川が流れていて、それは確かに渋谷の欲望を吸って地下を流れて稲荷橋で地上に姿を現すけれども、そこにはきらびやかな資本主義に対するアンチテーゼの象徴は存在し得たとしても、象徴を超えて意味を持つ形而上的な何かへは現実問題として発展しないだろう。そこはただの地下であり、地下世界ではない。
では、現代の地下世界はどこか。そこは間違いなくインターネットの中だ。インターネットにも現代資本主義的な価値の中で輝き、存在しているものもある。だが確かにそうでないものもある。巨大に膨れ上がった仮想世界の中では、かつてのキリスト教徒のように地下に隠れ住むまでもなく、価値のマジョリティと同じ次元に平然と同居する形でそのアンチテーゼが存在できる。地上の価値に見放されたのけものたちは、この仮想世界の中で新たな価値の大伽藍を作り上げる。2ちゃんねる、BLOG、Mixi等のSNS、それらは明確な形で現代的な価値へのアンチテーゼといった風采を持っていなくとも、少なくとも発信者とそれを囲むコミュニティの中で多かれ少なかれ一般的に"現代的な価値"と呼ばれるものに対してそのコミュニティなりの矯正が入るものだし、中には明確に地下世界の色合いを打ち出しているものもある。ネット上の一部のコミュニティは、既に現代の価値に囚われない新たな自分達なりの価値を持った新世界を創造しているようにも見える。
キリスト教創世の時代、精神的な地下世界は物理的な地下世界に相関して存在していた。現在、精神的な地下世界は現実世界と仮想世界という対比の中で存在している。では、いつの日か、その価値がひっくり返ることがあるのだろうか。大ローマ帝国が倒れ、キリスト教が世界を席巻したように。それは例えば、リアルとバーチャルが転倒した、映画『MATRIX』のような世界なのだろうか。現代の地下世界で、果たしてどんな萌芽が芽生えていて、その中のどれが実際に花開きそうなのか。正直、今の私の目にはまだ具体的なイメージは見えてこない。だが、今の資本主義社会の価値を無にして世界を組み替えてしまう新たな価値が出てくるとしたら、それはやはりこの現代の地下世界の中からだろう。
2005年10月22日土曜日
ハイテンションのち赤っ鼻
で、なんとか昨日までのスケジュールを乗り切り、今日は外出の予定もなく一日社内にいる平穏なスケジュール。それで気が抜けてしまったのか、アドレナリンが分泌されないのはまだしも、なんと昨日まで出ていたアドレナリンの代わりに今日はヒスタミンが大量に出てしまっていたようで鼻水出まくり。ずっと鼻をかみ続け、もう鼻は赤くなってヒリヒリするし、挙句もう薬飲んでもよくならずに鼻水が流れ続けて、鼻血のときみたいにティッシュを丸めて鼻に突っ込んで仕事してみたり。もう目もシパシパするし、大変でした。こんな状態じゃ集中力など当然あるはずもありません。いやー、参りました。
アドレナリンのちヒスタミン。奇跡の効率の後はまさかの非効率。世の中なかなかうまくはいかないものです・・・。
2005年10月18日火曜日
毒にも薬にもならないよりは
どうせなら毒がいいよね。何しろ元々が立派ってほど立派な人間じゃない、いいこと言おうと思ったってタカが知れてる。カッコよく見せようったってタカがしれてる。ある程度はそう見せられるかもしれないけれど。心の向くまま書いたものが、誰かしらの心に何かしら引っかかるなら幸いだ。狙ってみたってうまくはいかん。狙ってみたってうまくはいかん。そう毒吐いてなんぼです。毒は批判や糾弾でなく、もっと精神的な毒がよい。たまにゃ読む方がまるで意味がわからんか、むしろ不快になるくらいでもちょうどいい。ある種オカルト。最近、書いてないなー、そういうの。社会に出るとある程度、人の快不快を考えてしまう。ここではホントに"ある程度"だけど。ま、時にはそんなもん無視してもよいでしょう。できるとしたならここしかない。潰しましょう。潰しましょう。そう色々と、無感情に。段々テンポに乗ってきた。こんな感じで書ければよい。こんな感じで書ければよい。結局毒にも薬にもならん。
2005年10月16日日曜日
日吉の整体院『K-style』
腰痛の治療というとやはり普通はまず「整形外科にでも行くか」となるわけですが、整形外科での治療って基本的には電気流して湿布貼って、血行を良くしてコリをほぐしたり痛みを和らげるというスタンスになります。それって一時的に痛みは軽くなるかもしれないですが、結局対症療法に過ぎないから原因を根治させてないんですよね。だからすぐ再発する。まぁ一口に腰痛と言っても色々と変な病気が原因な場合もあるわけで、まずそういった変な病気じゃないということをはっきりさせるという意味で整形外科の診断を受けることには意味があるように思いますが、そういった明らかな病原性のものでない腰痛(大体そっちが多い)を治したいのなら整形外科はイマイチです。それなら温泉にでもゆっくり浸かっていればよい。私は相変わらずの確信的な自己診断で「これは病原性の腰痛じゃない」と判断し、整形外科よりは整体の方が効果あるだろうと整体に足を運んだわけです。実際最近背骨が何か歪んでる気もしてましたしねー・・・。
というわけで整体院探しです。基本的に探し物はまずネットから。おもむろに検索窓に"日吉 整体"と打ち込んで結果を眺めます。すると1ページ目に2件程引っかかってきます。さて、どちらにするかというのが悩ましいところです。幸いどちらも先生自身がBLOGを書いているので、それを読んで"話がしやすそう"かつ"HPがわかりやすい"という理由から『K-style』さんに行くことに決め、予約を入れます。後は楽しみに待つだけ。そう、待つだけです。
『K-style』さんは微妙に場所がわかりにくいので最初ちょっと探してしまいましたが(苦笑)、中に入ると柔らかい色調でまとめられた穏やかな雰囲気の部屋。当然かもしれませんが非常にきれいに片付けもされていて、清潔感も抜群です。受付に誰も人がいなくて、施術中の先生が対応してくれたのには少々驚きましたが(笑)。基本的に全て一人で運営しているそうです。頑張ります。
整体と言うとバキバキと骨を鳴らすイメージがありますが、『K-style』の古藤院長曰く「あれやっても治らない」とかいうことで、ここではじっくりと関節を調整して治療してくれます。たまにちょっと痛いですが、基本的にはマッサージを受けてるみたいな感覚です。結構私の体はボロボロだったらしく、骨盤は歪んで固まってるは背中も固くなってるは、挙句首までゴリゴリで、「頭痛や耳鳴りはしませんか?いつそういう症状が出てても不思議じゃないですよ」とか言われました(泣)。実際ちょっと疲れると頭痛はよくあるのですが・・・。とにかく「これは一回では無理」ということになり、それから私の整体通いが始まりました。院長の古藤先生はとても気さくに話す人で、行く度に何故かロックの話で盛り上がりながら施術を受けていたりします(笑)。なかなか、楽しいです。
しかし整体って思った以上に効果があるものです。まず整体院を出て道を歩いている時点でこれまでと足の動き方が変わっていることに気付きましたし、一回で不思議なくらい腰痛も軽くなり、それまで私を悩ませていたアゴの疲れと違和感や首のコリまで一緒によくなったのです。私の半慢性化した腱鞘炎も、背骨や骨盤が歪んでいるせいで手に酷く負担がかかって、腱鞘炎にかかりやすい状態になっているそうで、体の歪みは腱鞘炎にまで関係してるのだなと妙に感心したりもしました。腰痛や首のコリが緩和されたおかげで往年の周囲がまったく見えなくなるくらいの集中力も(まだ完全にではないですが)戻ってきてくれました。やはり体は色々なところで結びついてますし、心もまた体と結びついているものです。
というわけなのでまずは腰痛とアゴの疲れ・違和感及び首のコリを完全に打倒すべく、私はしばらく整体に通うことにします。
2005年10月10日月曜日
無題
2005年10月9日日曜日
Bowmore - ボウモア ダーケスト
Distillery : Bowmore Years : Unknown Area : Islay Bottler : Official Cask Type : Oak Sherry Product : 43% vol, 750ml Price : 4,900yen Remarks : - |
潮の香りがするアイラモルトとしてん根強いファンの多いボウモア。そのシェリー樽熟成のボトルがこの『ボウモア ダーケスト』だ。"From The No.1 VAULTS Of Black Bowmore"と化粧箱にデカデカと書いてある通り、かつて存在した『Black Bowmore』の後継としてリリースされたものであるらしい。No.1熟成庫から厳選した樽を使用し、12年以上バーボン樽での熟成を行い、その後2年以上シェリー樽で追加の熟成を行って出荷される。ウィスキー評論家のマイケル・ジャクソン(月面歩行とかやっちゃう彼ではない)は数あるボウモアのシリーズの中でもこの『ダーケスト』に最高の評価を出しているとか。何にせよ、シェリー樽熟成のボウモアというだけでなかなかそそる一品だ。
伊達に"Darkest" と銘打ってあるわけでなく、色は非常に濃いアンバー。マッカランと見紛わんばかりの濃い色をしている。アイラモルトはこのボウモアに限らずピートのきつい香り(正露丸のようとよく言われる)がして、それが好みを分けるものだが、このダーケストはアイラの中では中程度のピート香を持つボウモアの中では比較的おとなしい方。ピートの煙と潮の香りにシェリーの甘い香りが混ざり合って、なかなか絶妙なバランスを出してくれる。シェリー香がピートの持つ強烈な香りを少し中和している感じだ。
ボウモアは決して甘口のモルトではない(といっても激辛というわけでもないが)ので、口に含んだ瞬間も決して甘みが前面に出てくるわけでなく、実直な、ともすれば地味に感じるくらいの麦の味を、軽くくるむ程度にシェリーの甘みとまろやかさが付いてくる。アイラモルトの持つ強烈な個性を、シェリー樽による熟成が一段大人にさせて深みが増したように感じる。アイラの暴れ狂う強烈な個性を経て、一歩スペイサイドのヘザーハニーを加えて踏み込んだイメージ。ラフロイグやアードベッグのような強烈な臭いモルトが好きな人には少々物足りないのかもしれないが、これはこれでアイラとスペイサイドのいい部分を取って悪い部分を補いあった、非常にバランスのよいモルトであるように思う。この『ボウモア ダーケスト』はかなりお気に入りだ。少しきつい渋めな個性と、深く味わえる洗練と、どちらも一度に味あわせてくれる贅沢さがある。
2005年10月6日木曜日
ハバネロとギター
高校時代も卒業後も随分バカな真似をしてつるんだ仲、その程度の頼みならどんと来いと二つ返事で引き受けたのはいいけれど、さて何を弾くかが問題です。正直最近は期末の忙しさと編曲がかぶったせいで、独奏曲はホントにほとんど弾いてません。すぐに人前で出せると言ったら『花祭り』や『シャコンヌ』といった学生時代から得意とするレパートリーくらいですが、前者は派手すぎるし後者は暗すぎる(苦笑)。一ヶ月半でできる簡単な曲でも選ぶかなぁ、とか色々考えていた時に、ふっと思い浮かびました。そうかぁ、式は11月かぁ。
・・・なら『11月のある日』でいいじゃん。
決定しました(笑)。
最近はこの曲も中間部の長調に転調する部分は弾いてなくて忘れかけていたので、早速譜面を持ち出して指を置きます。右手、左手、少しずつ感覚を思い出しながら、ゆっくり弾いていきます。少しなまってギクシャクする指がもどかしいと言えばもどかしいのですが、やっぱり楽しい。やはりどんな形であれ舞台という目標があるとギターを弾こうというモチベーションも上がるし、楽しさも増すものです。この三連休は久々にギター漬けですね。
2005年10月3日月曜日
エアバス
そして佐賀空港からの離陸が気持ちいい。何と言っても佐賀空港は日に羽田を三往復、大阪を二往復しか飛行機が飛ばない。夜、東京に向けて発つ便は佐賀空港から出る一般旅客機の最終便だ。当然周りに飛行機もないので、離陸待ちなどという状態は基本的に発生しない。羽田上空が混雑しているからという理由で離陸待ち指示が出ることはあるが、滑走路に飛行機が連なるという事態など間違っても発生しない。のびのびと占有した滑走路を、小さなエアバスは小気味よく加速して飛び立って行く。
佐賀行きの飛行機に乗るには、いつも羽田のターミナルからバスに乗って機体まで案内される。それが面倒と言えば面倒だが、逆に言えばバスの中からや、バスから降りてタラップを登って乗り込む前に、エアバスの全体像をちゃんと見ることができる。いつもそのバスに乗って機体のところまで来ると、やはりエアバスが初めての人が必ず何人かはいて、そして必ず誰かが「小さっ!」と声に出して呟く。その言葉を聞いて、いつも少し心の中で笑うのだ。うん、エアバスは小さいんだよ、と。