2005年10月9日日曜日

Bowmore - ボウモア ダーケスト

ボウモア ダーケスト
Distillery : Bowmore

Years : Unknown

Area : Islay

Bottler : Official

Cask Type : Oak Sherry

Product : 43% vol, 750ml

Price : 4,900yen

Remarks : -



 潮の香りがするアイラモルトとしてん根強いファンの多いボウモア。そのシェリー樽熟成のボトルがこの『ボウモア ダーケスト』だ。"From The No.1 VAULTS Of Black Bowmore"と化粧箱にデカデカと書いてある通り、かつて存在した『Black Bowmore』の後継としてリリースされたものであるらしい。No.1熟成庫から厳選した樽を使用し、12年以上バーボン樽での熟成を行い、その後2年以上シェリー樽で追加の熟成を行って出荷される。ウィスキー評論家のマイケル・ジャクソン(月面歩行とかやっちゃう彼ではない)は数あるボウモアのシリーズの中でもこの『ダーケスト』に最高の評価を出しているとか。何にせよ、シェリー樽熟成のボウモアというだけでなかなかそそる一品だ。

 伊達に"Darkest" と銘打ってあるわけでなく、色は非常に濃いアンバー。マッカランと見紛わんばかりの濃い色をしている。アイラモルトはこのボウモアに限らずピートのきつい香り(正露丸のようとよく言われる)がして、それが好みを分けるものだが、このダーケストはアイラの中では中程度のピート香を持つボウモアの中では比較的おとなしい方。ピートの煙と潮の香りにシェリーの甘い香りが混ざり合って、なかなか絶妙なバランスを出してくれる。シェリー香がピートの持つ強烈な香りを少し中和している感じだ。

 ボウモアは決して甘口のモルトではない(といっても激辛というわけでもないが)ので、口に含んだ瞬間も決して甘みが前面に出てくるわけでなく、実直な、ともすれば地味に感じるくらいの麦の味を、軽くくるむ程度にシェリーの甘みとまろやかさが付いてくる。アイラモルトの持つ強烈な個性を、シェリー樽による熟成が一段大人にさせて深みが増したように感じる。アイラの暴れ狂う強烈な個性を経て、一歩スペイサイドのヘザーハニーを加えて踏み込んだイメージ。ラフロイグやアードベッグのような強烈な臭いモルトが好きな人には少々物足りないのかもしれないが、これはこれでアイラとスペイサイドのいい部分を取って悪い部分を補いあった、非常にバランスのよいモルトであるように思う。この『ボウモア ダーケスト』はかなりお気に入りだ。少しきつい渋めな個性と、深く味わえる洗練と、どちらも一度に味あわせてくれる贅沢さがある。

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