2005年10月3日月曜日

エアバス

 羽田空港と佐賀空港を結ぶ飛行機はいわゆるジャンボジェットではなく、一回り小さいエアバスだ。ボーイングなんかと比べると胴が短くて、ちょっと寸詰まりな感じがするのが何となくかわいい。最近、コイツが結構好きになってきた。座席も左右に3つずつしかなくて、真ん中の席はないし、エンジンも左右一基ずつしか積んでない、小さな飛行機。でもそれがいい。福岡行きのボーイングに乗ると、真ん中の席まで人がギチギチで、人が密集した空気が酷く淀んでいる気がするが、このエアバスは最大でも160人程度しか乗らないし、真ん中は通路のみのわかりやすい乗り物だ。これならそんなに空気が殺伐と感じられることもない。

 そして佐賀空港からの離陸が気持ちいい。何と言っても佐賀空港は日に羽田を三往復、大阪を二往復しか飛行機が飛ばない。夜、東京に向けて発つ便は佐賀空港から出る一般旅客機の最終便だ。当然周りに飛行機もないので、離陸待ちなどという状態は基本的に発生しない。羽田上空が混雑しているからという理由で離陸待ち指示が出ることはあるが、滑走路に飛行機が連なるという事態など間違っても発生しない。のびのびと占有した滑走路を、小さなエアバスは小気味よく加速して飛び立って行く。

 佐賀行きの飛行機に乗るには、いつも羽田のターミナルからバスに乗って機体まで案内される。それが面倒と言えば面倒だが、逆に言えばバスの中からや、バスから降りてタラップを登って乗り込む前に、エアバスの全体像をちゃんと見ることができる。いつもそのバスに乗って機体のところまで来ると、やはりエアバスが初めての人が必ず何人かはいて、そして必ず誰かが「小さっ!」と声に出して呟く。その言葉を聞いて、いつも少し心の中で笑うのだ。うん、エアバスは小さいんだよ、と。

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