2001年5月10日木曜日

量子論のパラレルワールド

 量子論の描く不思議な世界。光は波でもあり粒でもある。我々が観測していない時、2つに区切られた箱の中に入れられた1個の電子は、区切られた箱の右にいる状態と左にいる状態が重ね合わさって存在している。我々が"見た"瞬間に、波は収縮し電子は粒となり左右のどちらに存在するかが確定する。それは時間も空間もすっ飛ばして。不思議な不思議なコペンハーゲン解釈。シュレーディンガーの猫は生きていると同時に死んでもいます。

 おそらく大方の人は何を言っているのかチンプンカンプンでしょう。量子論というのは只でさえ物理学の中でも理解が難しい分野で、わかりやすく説明するのも大変なので敢えてああ書きました(←ダメじゃん)。要は今回言いたいことは、量子論の論理を極限まで額面通りに解釈していくと『多世界解釈』という話に行き着くということです。これが何を意味するのか。それは、SFの世界の絵空事と思われていた『パラレルワールド』というものが、実際に存在する可能性を示唆するものなのです。

 量子論の理論を突き詰めた『多世界解釈』によれば、世界は瞬間瞬間毎に起こり得るすべての可能性の分だけ分岐していくことになります。人は誰しも「あの時ああしておけば」と思うことがあるでしょう。量子論の『多世界解釈』では、「あの時ああしていた」自分が存在するパラレルワールドが、現在も同時進行していることになるのです。もちろんその後の大小問わないあらゆる分岐点分のパラレルワールドも。しかしパラレルワールド同士は一旦分岐してしまえば物理的なつながりがまったくなくなるため、お互いに干渉することものぞき見ることもできません。そしてある世界にいる「私」にとってはその世界での「私」しかいないのです。実に面白い。量子論が従来の「科学的な」分野だけに留まらず、哲学などの分野にも大きな影響を与えているのもうなずけます。もしかしたら霊能力者とか前世の記憶がある人とか、そういった人々は「パラレルワールド同士はつながらない」というテーゼを破って、どこかでパラレルワールドとつながりを持った人達なのかもしれませんね。

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