2005年8月20日土曜日

ここではないどこかへ

 結局のところ僕らは、"今"とか"ここ"とかいったものが好きではないのだろう。だって、誰も"今"とか"ここ"に留まっていることを快く思っているようには見えないもの。外面は違って見えるけど、結局みんな同じ。疲れたサラリーマンは満員電車の中で誇大な妄想に耽り、気鋭の芸術家や経営者は自らの展望や将来への進路に思いを巡らす。退屈な学生は何か刺激になるものはないかと当てもなくさまよい、何かに夢中になる学生は世界や自分を変えようとする。部屋に閉じこもりネットやゲームを続ける人はその中に"今"や"ここ"とは違う世界を求め、世界を旅して現地の空気を満喫しながら歩く人は祖国とは違う何かを求めてそこに立っている。子供は早く大人になりたがるし、大人はもはや大人でいたくなくなる。何でだろう、こんなにも僕らは"今"や"ここ"に留まれない。

1 件のコメント:

  1. それは、本当に 今 や ここ が満たされないものなんです。満たされる ここ や いま はあると思うんです。ではここ日本の日常ででどう実現していくか・・・これがたいへん。満たされたものに出会ったとき、これが非日常の別世界、かけ離れたものと思っては、はじまらないのではないかと思うんです。日常でも味わおうじゃないかと言うわけなんですが・・・

    返信削除